2022.12.05 税制改正  その他 

 政府税制調査会の第8回納税環境整備に関する専門家会合では、税に対する公平感を大きく損なうような行為への対応等について議論されました。その会議に国税庁より提出された説明資料には、「税に対する公平感への悪影響が危惧される調査事例」が6つ掲載されています。

 その中で、所得税が無申告であった2つのケースをご紹介します。

   

出典:納税環境整備に関する専門家会合第9回会議資料

    

出典:納税環境整備に関する専門家会合第9回会議資料

  

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  •  いずれの事例も、納税者は申告の必要があることを認識しながら申告をしていなかったことを認めていますが、「積極的な仮装・隠ぺい行為なし」とされ、重加算税の対象とはならなかったようです。
  •  現行制度では、申告時における仮装隠ぺい行為や意図的に申告をしないという意思を外部からもうかがい得る行動といった外形的事実を把握できなければ重加算税の対象とはなりません。
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  •  政府税調では、これらの事例のように高額の利益を得ていながら無申告となっていた場合や長年にわたり無申告を放置している場合であっても重加算税の対象とはならない状況を放置することは、税の公平の観点から問題があるとしています。
  •  政府税調委員からは、「このような高額の無申告あるいは連年の無申告については、重加算税に至らない場合であっても無申告加算税の税率を加重する」「重加算税の対象になる場合も、なお高額であるないしは連年であるということを考慮したさらなる割増を考える」という意見が出ました。
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 税の公平性の観点からは早急な対応が必要とされることから、早ければ2023年度(令和5年度)税制改正において、無申告加算税の税率を加重するなどの対応措置がとられるかもしれません。今後の税制改正の議論が注目されます。

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