2022.11.07 その他 

 国税庁は、「帳簿の提出が無い場合等の加算税の加重措置に関するQ&A」をホームページに掲載しました。

 令和4年度税制改正により、記帳水準の向上に資する観点から、記帳義務の適正な履行を担保し、帳簿の不保存や記帳不備を未然に抑止するため、過少申告加算税・無申告加算税の加重措置が講じられました。このQ&Aでは、その加重措置に関する概要や適用上の留意点等が取りまとめられています。

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  •  本措置は、申告所得税、法人税・地方法人税、消費税の税務調査において、税務職員から「売上げに関する調査に必要な帳簿」の提示等を求められ、かつ、下記のいずれかに該当する場合には、帳簿に本来記載等をすべき事項に関する申告漏れ等に対して課される通常の過少申告加算税・無申告加算税(以下、「過少申告加算税等」)の割合を10%又は5%加重する措置です。
  •   (1)帳簿の提示等をしなかった場合
  •     過少申告加算税等の割合が10%加重
  •  (2)帳簿への売上金額の記載等が、本来記載等をすべき金額の2分の1未満だった場合
  •     過少申告加算税等の割合が10%加重
  •  (3)帳簿への売上金額の記載等が、本来記載等をすべき金額の3分の2未満だった場合((2)に該当する場合を除く)
  •     過少申告加算税等の割合が5%加重
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 本措置では、税務調査の結果に基づき新たに納める必要のある税額に対する全ての過少申告加算税等が加重されるわけではありません。税務調査の結果に基づく修正申告等の基因となった事実の中に、帳簿に記載すべき事項等に係るもの以外のものがある場合には、この「帳簿に記載すべき事項等に係るもの以外の事実」に対応する分を差し引き、残った税額(すなわち「帳簿に記載すべき事項等に係る税額」)に対する過少申告加算税等に加重されます。

  •  所得税では、「帳簿に記載すべき事項等に係るもの以外の事実」に該当するものとしては、下記の事実があげられます(Q19)。
  •   ・帳簿に基づき計算されない所得区分(事業所得、不動産所得、山林所得以外の所得区分)に関する申告漏れ
  •   ・所得控除・税額控除の適用誤り(ただし、帳簿に基づき計算される所得に関連するものを除きます。)
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 一方、法人税、地方法人税及び消費税の場合には、一般的には全ての事項が帳簿に記載すべき事項に該当すると考えられることから、税務調査において指摘された非違事項に基づく税額の全てが本措置の加重対象になります。したがって、法人税、地方法人税及び消費税については、「帳簿に記載すべき事項等に係るもの以外の事実」に該当する非違事項はないとしています。

 なお、本措置は、令和6年1月1日以後に法定申告期限が到来する申告所得税、法人税・地方法人税、消費税について適用されます。

 国税庁では、制度適用開始に向け、リーフレット「申告漏れがあった場合には・・・売上げに関する帳簿を作成・保存していない事業者の方は加算税が重くなります」を公表するなど、制度の周知につとめています。

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