2022.01.24 税制改正 

 令和4年度(2022年度)税制改正大綱では、財産債務調書制度について見直す旨が記載されています。

 財産債務調書とは、一定以上の所得と財産を保有する者に対し、財産や債務の明細を記入した調書の提出を求める制度です。

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  • <現行制度の概要>
  • 【提出義務者】 下記2つの条件を満たす方
  •  ・所得基準:所得 2,000万円超
  •  ・財産基準:総資産3億円以上 又は 有価証券等1億円以上
  • 【提出期限】 翌年3月15日
  • 【記載内容】 12月31日時点で保有する財産・債務の所在地・銘柄別・価額等
  •  ※一部の少額財産債務は記載を省略可
  •   (取得価額100万円未満の家庭用動産(現金・美術品等を除く))
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 現行制度には、下記のような課題があると指摘されていました。

  • <現行制度の課題>
  • ・所得2,000万円以下の者は、仮に高額の資産を保有していたとしても、調書の提出義務がない。
  • ・現行の提出期限までに、保有財産の種類・数量・価額を正確に算出・記載することは必ずしも容易ではない。
  • ・事務負担が重い。
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 そこで、令和4年度(2022年度)税制改正により、下記の通り見直される予定です。

  • <見直し案>
  • 【提出義務者】現行の提出義務者に加えて、以下の基準に該当する者も対象とする
  •  ・財産基準:総資産10億円以上(所得基準なし)
  • 【提出期限】 翌年6月30日
  • 【記載内容】  12月31日時点で保有する財産・債務の所在地・銘柄別・価額等
  •  ※一部の少額財産債務は記載を省略可
  •   (取得価額300万円未満の家庭用動産(現金・美術品等を除く))
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 財産債務調書は、申告書と違って提出することにより税金を納める書類ではありません。しかし、適正な提出を促すために、提出があった場合には過少申告加算税等を軽減する、提出がなかった場合等には過少申告加算税等を加重する、という措置が設けられています。

 改正後は、確定申告をする所得がなくても、総資産が10億円以上であれば、財産債務調書の提出義務が発生します。財産をお持ちの方は、ご自身の財産を把握し、対象となるかどうかを確認しておく必要がありそうです。

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