2016.05.16 国際課税 

OECDのBEPS(税源浸食と利益移転)プロジェクトの勧告(行動13「多国籍企業情報の文書化」)を踏まえ、平成28年度税制改正により、租税特別措置法の一部が改正され、移転価格税制に係る文書化制度が整備されました。国税庁は、その移転価格税制に係る文書化制度に関する改正内容のうち、主要な項目について「移転価格税制に係る文書化制度に関する改正のあらまし」としてホームページにパンフレットを掲載しています。
具体的には、1.多国籍企業グループが作成する文書と2.国外関連取引を行った法人が作成する文書の2項目をとりあげています。
1.多国籍企業グループが作成する文書
直前会計年度の連結総収入金額1,000億円以上の多国籍企業グループ(特定多国籍企業グループ)の構成会社等である内国法人及び恒久的施設を有する外国法人は、最終親会社等届出事項、国別報告事項及び事業概況報告事項を国税電子申告・納税システム(e-Tax)で国税当局に提供しなければならないこととされました。本パンフレットでは、この文書の提供義務及び提供義務者をフォローチャートにより確認することができます。
この改正は、平成28年4月1日以後に開始する最終親会計年度に係る報告(届出)事項について適用されます。
2.国外関連取引を行った法人が作成する文書
一の国外関連者との取引について、①国外関連取引の合計金額(前事業年度)が50億円以上又は②無形資産取引の合計金額(前事業年度)が3億円以上である法人は、当該国外関連取引に係る独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類を確定申告書の提出期限までに作成又は取得し、保存しなければならない(いわゆる「同時文書化義務」)こととされました。
ここでいう国外関連取引とは、法人が国外関連者との間で行う資産の販売、資産の購入、役務の提供その他の取引をいいます。また、無形資産取引とは、特許権、実用新案権などの無形固定資産その他無形資産の譲渡又は貸付け等をいいます。
この改正は、平成29年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税について適用されます。

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