2016.03.28 相続税・贈与税 

東京国税局はホームページに、文書回答事例「相続人以外の者が包括遺贈により財産を取得した場合における相次相続控除の適用の可否について」を公表しました。
相次相続控除とは、被相続人が今回の相続開始前10年以内に、相続等によって財産を取得し相続税が課されていた場合には、その被相続人から相続等により財産を取得した人の相続税額から、一定の金額を控除する制度をいいます。
相次相続控除が受けられるのは次の全てに当てはまる人です。
(1)被相続人の相続人であること
(2)その相続の開始前10年以内に開始した相続により被相続人が財産を
取得していること
(3)その相続の開始前10年以内に開始した相続により取得した財産について、
被相続人に対し相続税が課税されたこと
今回東京国税局に照会された事例は、被相続人が、被相続人の相続人ではない、被相続人の配偶者の甥・姪に遺言で全ての財産を遺贈(包括遺贈)した場合、この甥・姪は相次相続控除の適用を受けることができるのか、というものです。
配偶者の甥・姪は、本来、被相続人の相続人ではないため、相次相続控除の適用は受けられません。その一方で、民法第990条において「包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有する。」と規定されていることから、相次相続控除の適用対象となる「相続人」に包括受遺者も含まれるのではないか、そうすると配偶者の甥・姪でも、包括受遺者であれば、相次相続控除の適用が受けられるのではないか、という疑問がありました。
しかし、相続税法の条文を見ると、相続税法では「相続人」と「包括受遺者」を別に扱っていると考えられます。相次相続控除を規定した条文では、単に「相続人」とあり、相続人に包括受遺者を含む旨の規定はありません。従って、相続人以外の者が包括遺贈により財産を取得しても、「相続人」ではないため、相次相続控除は適用されないと考えられます。
東京国税局は、事前照会者の「相続人でない者で包括受遺者となる者が遺贈により財産を取得する場合には、相次相続控除の適用はないものと考える」という見解を「貴見のとおりで差し支えありません。」と認めています。

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