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最高裁 神奈川県の臨時特例企業税は違法と判決

自動車メーカーが神奈川県に対して提起していた臨時特例企業税(臨特税)に関する訴訟で、最高裁は、22日、臨特税を違法とする判決を下しました。

臨特税とは、欠損金の繰越控除を適用した事業年度を対象に、欠損金控除前の「当期利益金額」を課税標準として課税するものです。現在は黒字でも、過去の赤字の累積により納税が発生していない法人に対して、応分の負担を求めるための臨時的・特例的な措置として設けられました。平成13年8月1日より約8年間課税され、約480億円が徴収されたそうです。

本事案では、「この臨特税を定めた条例は、法人事業税の課税標準である所得の金額の計算につき欠損金の繰越控除を定めた地方税法の規定に違反するかどうか」が争点の一つでした。すなわち、地方税法に規定のある「欠損金の繰越控除」を加味せず、当期利益金額に対して課税する条例は、地方税法の規定を変更するものであるとして無効となるか否かが争われました。

地裁では、原告である自動車メーカーの主張が受け入れられましたが、高裁では一転して、原告敗訴の判決となり、最高裁の判断に注目が集まっていました。
最高裁では、条例において、地方税法の強行規定の内容を変更することは地方税法に違反していると判示しました。また、規定の内容を実質的に変更することも、地方税法の規定の趣旨、目的に反し、その効果を阻害する内容のものとして許されないとしています。その上で、臨特税を定めた条例の規定は、臨特税の課税によって地方税法の定める欠損金の繰越控除を実質的に一部排除する効果を生ずる内容のものであり、地方税法の強行規定と矛盾抵触するものとして、地方税に違反し、違法、無効であるというべきであると判示しました。

最高裁の判決により、原告である自動車メーカーには、納付した金額に還付加算金を加えた金額が還付されます。臨特税の課税を受けた他の法人への対応が気になりますが、神奈川県は「これから県議会の御承認をいただく必要がありますが、本県といたしましては、この司法判断を重く受け止め、既にお納めいただいた臨時特例企業税について、過去10年に遡り、速やかに返還していきたいと考えています。」としています。今後、返還の対象となる法人へは、神奈川県が個別に連絡するようです。

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