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B型肝炎訴訟患者らが受け取る和解金、非課税に

先日、B型肝炎訴訟で原告の患者と国が和解に基本合意しました。この合意により、今秋にも和解が成立し、和解金の支払いが始まる予定です。その際、患者等が受け取る和解金に対する課税関係に関する「文書回答事例」が国税庁ホームページに掲載されました。

「文書回答事例」では、(1)和解対象者が支払を受ける和解金等に関する所得税の課税関係、(2)和解対象遺族(和解対象者のうち、亡くなられた方の遺族に対して和解金等を支払うことが相当と判定された場合の当該遺族)が支払を受ける和解金等に関する相続税の課税関係について照会されています。(1)(2)いずれも、課税関係は発生しないと考えて差し支えないという回答です。

所得税法上、心身に加えられた損害につき支払を受ける慰謝料その他の損害賠償金、心身に加えられた損害につき支払を受ける相当の見舞金及びこれらに類するものについては非課税とされています。今回の和解金等は、基本合意書を踏まえ、過去の集団予防接種等における注射器の連続使用に起因しB型肝炎ウイルスに感染したと認められた方に対し支払われるものであり、損害賠償金又は見舞金としての性格を持つものと考えられるため、非課税所得に該当します。

一方、この和解金等は、損害賠償金又は見舞金等に相当するものとして遺族に対し直接支払われるので、亡くなられた方の相続財産には該当しません。また、一時金として支払われるものであり、定期金ではないため、みなし相続財産にも該当しません。従って、この和解金等から相続税の課税関係は生じないことになります。

なお、この和解金等が和解対象遺族に支払われる場合であっても、和解対象者に対する支払におけるのと同様に所得税の課税関係は生じないものと考えられます。

政府は今後、この和解金等の支払いに当初5年間でも、1.1兆円が必要と推計しており、その財源は所得税などの臨時増税で賄うという意見もあるそうです。しかし、B型肝炎は是正を怠った厚労省の責任も大きいため、「納税者負担を求める前に、歳出削減策を示すべきだ」という声もあり、財源については今後も議論が続きそうです。

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