2006.07.03 国際課税
6月28日、国内製薬会社が大阪国税局の税務調査を受け、数年間で約1200億円の申告漏れを指摘されたという報道がありました。本来は日本で申告すべき所得を減らし、海外の関係会社(同社50%出資の合弁会社)へ移したとして「移転価格税制」の適用を受けたとみられます。地方税などを含めた追徴税額は約570億円と、移転価格税制では過去最高となります。同社は「所得移転の意図、動機はない」として、更正処分取り消しを求め、異議申し立てを行う方針です。
また30日には、大手電機メーカー、大手商社2社が、国税局の調査を受け、同じく移転価格税制の適用により、申告漏れを指摘されていたことが各社の発表で明らかになりました。
今回の様な大型事案がでてくると、税務当局及び納税者双方の移転価格に対する関心が増してくると思われ、また日中間の移転価格税制の実務も進行しており、移転価格税制が適用される事例は、今後ますます増えると思われます。