2006.10.23 国際課税
平成17事務年度に129件の相互協議事案が発生し、うち移転価格に関するものは119件、さらに相互協議を伴う事前確認は92件あったことが、国税庁のまとめで分かりました。相互協議を伴う事前確認では、事前確認の内容について二国間で合意するので、基本的に国際取引のいずれの国からも移転価格税制の適用を受けません。そのため国際的に活動している企業が、相互協議を伴う事前確認を申請するケースが増えているようです。
最近、大手製薬会社、商社、電機メーカーなど世界的な大企業が、次々と税務調査において移転価格税制の適用を受け、多額の税額を追徴されています。
9月には大手電機メーカーが申し立てていた異議が認められ、移転価格税制に絡んだ追徴税額の約3分の1に当たる金額が還付されることになりました。しかし異議申し立てやその後の裁判で争うことは、時間的にも金銭的にも大きな負担となるうえ、主張が認められるとは限りません。事前に移転価格税制リスクを減らす手段として、相互協議を伴う事前確認に対するニーズはますます高まりそうです。