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船舶リース課税訴訟 国税側、二審も敗訴

船舶リース事業に出資して生じた赤字を他の所得から差し引いたのは税逃れにあたるとして追徴課税された投資家らが、税務署などを相手取り課税処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決が8日、名古屋高裁でありました。裁判長は、原告の訴えを認めた一審・名古屋地裁の判決を支持し、国税側の控訴を棄却しています。

本件は、納税者が、組合契約を締結して参加した船舶リース事業の損失を不動産所得とし、他の所得と損益通算して所得税の確定申告を行ったのに対し、国税側が、その組合契約は民法上の組合契約ではなく利益配当契約にすぎないから、同所得は雑所得であって損益通算は許されないとして追徴課税をした事例です。

第一審は、契約は民法上の組合契約として成立している、納税額が少なくなるのは税法自体が容認している範囲内などとして、納税者の主張を認め、課税処分を取り消しました。今回の控訴審も、この第一審を支持して国税側の控訴を棄却しています。

本件と類似の事例である任意組合の航空機リースに係る訴訟は、平成17年11月に国税敗訴の判決が確定しており、国税庁は追徴課税を行った全員の処分を取消し、還付加算金を上乗せして全額を返還すると発表しました。本件では、国税側が上告するのか、または上告を断念して判決が確定するのか、今後の動向が気になります。

なお、平成17年度税制改正により、民法組合事業等から生じた個人組合員に帰属する不動産所得の損失はなかったものとする規定が設けられました。従って平成18年以降は、こうしたリース事業への出資に伴う赤字分を他の所得から差し引くことは出来なくなっています。

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