税のトピックス

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「住所は都内」課税取り消し訴訟控訴審 逆転判決

消費者金融大手の創業者子息が創業者夫妻から贈与された海外法人株をめぐる税務訴訟の控訴審判決が23日、東京高裁でありました。裁判長は、国に課税の取り消しを命じた東京地裁の1審判決を取り消し、課税を適法とする逆転判決を言い渡しました。

子息は99年に創業者夫妻から、消費者金融大手の株を保有するオランダ法人の株式90%の贈与を受けました。子息は97年に香港駐在役員として赴任しており、贈与された当時の生活の拠点は香港にあったとして税務申告しなかったそうです。99年当時の税法は「海外居住者が国外財産の贈与を受けた際は非課税」としていました。贈与のあった翌年の00年より税法が改正され、贈与した側か受けた側のいずれかが過去5年以内に日本に居住していた場合には納税義務が生じるようになりました。

東京国税局は子息が税逃れのために香港に移住したとみて贈与税の申告漏れを指摘しました。1審判決では、子息が税制改正前に財産贈与を受けるよう専門家からアドバイスを受けたことは認めつつも、国内よりも香港に長く滞在していた点などに照らし、生活の本拠は香港にあると判断しています(税のトピックス2007年5月28日)。

控訴審では、子息は贈与税を回避する計画で香港に滞在していたと認定し、このような状況では、滞在日数のみで住所を判断すべきではないとの判断を示しています。その上で、子息の日本滞在時には都内の自宅で生活していた、子息の資産の99.9%以上は国内にあった、などの事実を指摘し、事実上の住所は都内の自宅だったと結論付けています。

1審は、海外居住について滞在日数等により形式的に判断をしていますが、控訴審では、客観的事実により総合的に判断すべきとしたことで、判決が覆ったようです。子息は上告する方針という報道もあり、最高裁の判断が待たれます。

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