2008.05.12 税制改正 

経済産業相は、日本企業が海外で稼いだ利益を国内に還流させるための税制改正を求める方針を表明したという報道がありました。経産省の調査では、05年度末の海外子会社における内部留保の総額は12兆円を上回る水準となっているそうです。資金が日本に還流されず、海外に留まれば、日本国内での研究開発や設備投資などに資金が十分に投下されず、日本経済に悪影響を及ぼす恐れがあります。

企業が海外の利益を国内に還流しない背景には、配当として国内に還流すれば国内親会社の所得として法人税を課税されることがあります。(税額の計算上、二重課税防止のため、海外で課税された税額は差し引かれますが、日本の法人税率が海外の法人税率より高ければ、企業の税負担は増えることになります。)

経産相は記者会見で「世界におけるわが国経済の規模が相対的に低下する中での成長戦略として、海外市場の獲得と国内のイノベーション促進の好循環を構築することが必要」と指摘し、そのために、海外子会社の利益を必要な時期に必要な金額だけ、国内の本社に戻すことが可能になるような税制改革を検討すると表明しています。具体的には、海外子会社からの配当には課税しない、国外所得免除制度の導入を検討するようです。

ドイツ、フランスではこの国外所得免除制度を採用しており、アメリカ、イギリスも移行を検討中といわれています。日本でも09年度税制改正の論点の一つとなりそうです。