2018.08.20 消費税 

 国税庁は、ホームページに「消費税軽減税率制度の手引き」を公表しました。消費税の軽減税率制度の開始日である平成31年10月1日に向けて、国税庁はホームページに特設ページを設けるなど、準備を進めています。

 本手引きには、軽減税率の制度の説明、対象品目の紹介のほか、軽減税率制度と同時に導入される「区分記載請求書等保存方式」の説明、税額計算等についてわかりやすく記載されています。また、参考として、軽減税率対策補助金や、軽減税率制度実施後の価格表示、相談窓口についても記載されています。

 「軽減税率制度実施後の価格表示」では、イートインスペースがある小売店の価格表示の例が紹介されていますが、その中に「税込価格を統一する場合」として、持ち帰りと店内飲食を同一の税込価格で表示する例が記載されています。本来、持ち帰り食品には消費税・軽減税率の8%が適用され、店内飲食品については10%が適用されるため、税込価格に違いが生じるはずですが、この例では同一の税込価格を認めています。

 この場合、軽減税率に合わせた税込価格であれば適正に転嫁していない、標準税率に合わせた税込価格であれば便乗値上げをしていると見られかねません。そのため、消費者庁が公表している資料では、税込価格を統一する場合の留意点として(1)「全て軽減税率が適用されます」「消費税は8%しか頂きません」といった表示は転嫁阻害表示に該当、(2)テイクアウト等の価格を店内飲食に合わせて値上げする場合には、消費者から問われた際にガイドラインに挙げた具体例も参考にしつつ、合理的な理由を説明することが考えられる、と指摘しています。

 

<ガイドラインに挙げられた具体例>

 
 ○ テイクアウト等の税抜価格を上げる例
 ・「出前」について、配送料分のコストを上乗せする
 ・「テイクアウト」について、箸や容器包装等のコストを上乗せする
 ○ 店内飲食の税抜価格を下げる例
 ・「店内飲食」について、提供する飲食料品の品数を減らす
 ・「店内飲食」の需要を喚起するため
 ○ 従業員教育の簡素化や複数の価格を表示することに伴う客とのトラブル防止に資する
                                       など

 同一の税込価格とした場合、消費者にとっては、持ち帰りでも店内飲食でも支払う金額が同じなのであまり差はありませんが、事業者にとっては消費税額が異なるため、その違いは重要です。やはりレジでの確認は必要となりそうです。

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