2015.06.08 消費税 

国税庁は、ホームページに「国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税の見直し等に関するQ&A」を公表しました。「国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税の見直し」は平成27年度税制改正により行われるもので、平成27年10月1日以後の取引から適用されます(改正のポイントは、こちらをご覧ください。)
「国境を越えた役務の提供」とは、国外事業者が国境を越えて行う役務の提供、具体的には電子書籍や音楽、広告の配信等をいいます。従来は、国外事業者から電子書籍や音楽を購入し、ダウンロードしても、消費税は課税されませんでした。改正後は、国外事業者から購入しても、国内事業者からの購入と同様に消費税が課税されます。
この改正により、個人の消費者は、価格に消費税分をプラスして支払うことになりますが、支払先は購入した相手であることに変わりはありません。一方、国内事業者は、取引によって、消費税を相手が納付するのか、自分が納付するのかが異なることになるので注意が必要です。
国内事業者の行う国外事業者との取引が「事業者向け電気通信利用役務の提供」に該当する場合には、その取引に係る消費税を税務署に納付するのは国内事業者になります。通常は支払いを受ける側が消費税を納付するのですが、この取引については支払う側が納付します(「リバースチャージ方式」といいます。この改正により、新しく取り入れられた方式です)。
「事業者向け電気通信利用役務の提供」に該当しない場合には、取引先である国外事業者が納付します。
「事業者向け電気通信利用役務の提供」に該当するかどうかは、取引ごとに判断する必要がありますので、国内事業者がすぐに直面する問題は、自分が国外事業者と行う取引が「事業者向け電気通信利用役務の提供」取引に該当するかどうか、という判断かもしれません。その問題に関するQ&Aは問20にあります。
Q20「当社が提供を受けた『電気通信利用役務の提供』が『事業者向け電気通信利用役務の提供』に該当するかどうかはどのように判定すればよいですか。」という問いに対し、「取引条件等から「事業者向け電気通信利用役務の提供」に該当するものは、取引に関与している当事者間で契約書等により「事業者向け電気通信利用役務の提供」に該当していることが明確となるものですので、これら契約書や契約過程の連絡文書等により確認することとなります。」とあり、あくまでも取引先が事業者であるか否かではなく、取引内容により判定する旨が記載されています。
また、事業者向け電気通信利用役務の提供を行う国外事業者には、あらかじめ課税仕入れを行う国内事業者に対して、当該国内事業者が納税義務者となる旨(当該取引がリバースチャージ方式の対象であること)を表示する義務が課されていますので、取引開始時等にこれらの表示を確認することも有用であるとしています。
国外事業者より電気通信料役務の提供を受ける国内事業者は、10月1日に向けて、改正のポイントや自社の取引について整理をする必要がありそうです。