2017.10.18 相続税・贈与税 

 10月に入り、秋も深まってきました。芸術の秋という言葉がありますが、秋になると、美術館を訪れ、絵画や彫刻を鑑賞したくなります。

 美術館を訪れると、展示されている美術品の中に、「個人蔵」という表記を見ることがあります。世界的に有名な絵画を個人が所有しているケースは少なくないようです。

 もし、絵画を所有している方に相続が発生した場合、絵画はどのように評価されるのでしょうか。

 絵画は、他の資産と同様に、相続が発生した時点での価値で評価されます。「100万円で購入したから今も100万円の値打ちがある。」とは限りません。「100万円で買ったのに、今は10万円の価値しかない。」となれば、評価額は10万円になります。

 それでは、相続発生時の「今の価値」はどうやって決めるのでしょうか。絵画の評価方法は、国税庁「財産評価基本通達」に、「売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価する」と定められています。実際に売却した場合にはその価額が参考になりますが、売却をしない場合には、美術商などの専門家の方に鑑定してもらい評価額を出すということになります。

 ただし、鑑定にも費用がかかります。何十点、何百点も保有されていた場合、すべて鑑定するとかなりの費用になると想定されます(しかも、この鑑定費用は相続税の計算上、控除出来ません)。 実際に、「美術品の評価額よりも鑑定費用の方が高くなる。」というケースもあるようです。

 実務では、購入金額が数万円程度のものであれば、美術品としてではなく、他の家財と合わせ、「家庭用財産一式」として相続財産に計上することが多いようです。

 一方、著名画家の作品や購入価額が数百万円を超える作品の場合には、美術品として専門家に鑑定を依頼し、評価額を算定した方が安心です。