2017.10.04 所得税 

今年も、ノーベル賞発表の季節となりました。日本人の受賞者は、2016年迄で25名です。そのうち、受賞者数が最も多いのは「物理学賞」の11人、ついで「化学賞」の7人です。「文学賞」は2人ですが、今年こそ3人に増えるのでは、と書店の担当者も落ち着かないようです。

ノーベル賞は、ダイナマイトを発明し多くの富を得たアルフレッド・ノーベルの遺言により創設された賞です。ノーベルは、「私のすべての換金可能な財は、次の方法で処理されなくてはならない。私の遺言執行者が安全な有価証券に投資し継続される基金を設立し、その毎年の利子について、前年に人類のために最大たる貢献をした人々に分配されるものとする。」という遺言を残したそうです。

ノーベル賞というと、授賞式や晩餐会の華やかな様子がマスコミに取り上げられますが、賞金も800万スウェーデン・クローナ(約1億1千万円)と華やかな金額です(ただし、受賞者が複数いる場合には、均等に分割となります)。

それでは、このノーベル賞の賞金をもらった場合、はたして所得税は課税されるのでしょうか?・・・答えは、「一つの賞を除いて、所得税は課税されない」です。

現在、所得税法には、「ノーベル基金からノーベル賞として交付される金品」について所得税を課税しないという規定が設けられています。ここだけを見ると、すべてのノーベル賞の賞金に所得税は課税されない、と考えてしまいそうですが、実はノーベル賞のうち、経済学賞による賞金には所得税が課税されます。経済学賞はノーベルの遺言でできた賞ではなく、後にスウェーデン国立銀行が設立した賞(「アルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン国立銀行賞」)なので、経済学賞による賞金は、「ノーベル基金からノーベル賞として交付される金品」に該当しないのです。

少々不公平な気もしますが、経済学賞を受賞した日本人はまだいないので、実際に所得税が課税された事例はありません。今後、実際に日本人の受賞者が出た場合には、税制改正が行われ、経済学賞による賞金も課税されないよう、手当てされるかもしれません。