2016.10.05 相続税・贈与税 

遺言書の作成で一番気をつけたいことは、遺言の内容により相続人間で争いが起きないようにすることです。争いを避けるために作成した遺言書が火種になったのでは、元も子もありません。今回のYPコラムでは、作成上の留意事項の一つとして「遺留分」についてご紹介します。
本来、遺言により自分の財産を自由に処分することができるのが原則です。しかし、これをすべて自由にすると、相続制度の趣旨である近親者の生活権の保障や近親者の相続財産に対する期待権の保護に反する恐れがあります。そこでこれらの調整を図るため、一定の相続人に相続財産の一定割合を最低限の取り分として認めたのが遺留分の制度です。

<遺留分>

 1.両親、祖父母など直系尊属のみが相続人である場合   法定相続分(注)の3分の1
 2.その他の場合(直系尊属+配偶者の場合も含む)     法定相続分の2分の1
 (注) 法定相続分 民法に定められた割合で、相続人が財産を相続する割合をいいます。
    遺言がなかったり、相続人の協議が調わないとき等の基準となります。

 

◆具体例:相続人が配偶者と子2人のケース(上記2のケース)

 配偶者 1/2(配偶者の法定相続分)×1/2=1/4
 子A   1/2×1/2(子1人の法定相続分)×1/2=1/8
 子B   1/2×1/2(子1人の法定相続分)×1/2=1/8
 ※ 相続人に子が複数いる場合には、さらに子の人数で割って個人の遺留分の割合を
   算出します。
  → 配偶者は相続財産の1/4に相当する財産を、
    子ABはそれぞれ1/8に相当する財産を、
    自身の取り分として請求することができる。

たとえ遺言どおりに財産を分割すると遺留分を侵害される相続人がいる場合であっても、その遺言自体が当然に無効となるわけではありません。しかし、遺留分を侵害された相続人は、自身の取り分を請求(遺留分減殺請求)することができるため、後々に争いの種を残すことになります。
特定の相続人に多く財産を相続させたい場合には、他の相続人に少なくとも遺留分に相当する程度の財産を相続させるような遺言を作成しておくことと、更に(前回のYPコラムでご紹介した)付言事項でこのようにした経緯を付記しておけば、スムーズな相続につながるかもしれません。

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