2015.09.02 相続税・贈与税 

前回のYPコラムで「生前にお孫さんに財産を渡しても、税負担がゼロになるケースがある」とお伝えしました。今回は、非課税制度の一つ目として「教育資金贈与の非課税制度」についてご紹介します。
教育資金贈与の非課税制度は、30歳未満の子や孫への教育資金の贈与が、贈与を受ける側1人当たり1500万円まで非課税になる制度です。金融機関等に専用の教育資金口座を開設し、教育資金を必要な都度引出し、贈与を受ける者が30歳になると終了になります。非課税の適用を受けるためには、資金を教育費に使った証明として金融機関に領収書を提出しなければなりません。対象となる教育費には、学校の授業料や入学金のほか、塾や習い事の月謝代などが含まれます(※)。
もともとお孫さんに教育資金として必要な額を必要な都度贈与する場合には、贈与税の課税はありませんが、3年分の教育費を一括で贈与する等、まとまった金額を贈与した場合には、その年に使わなかった金額が贈与税の課税対象となります。「教育資金贈与の非課税制度」は、まとまった金額を贈与した場合でも、贈与税が非課税となる特例制度です。
この特例制度により贈与された資金は、贈与者の相続財産と切り離されるため、口座が終了する前に贈与者に相続が発生しても相続税は課税されません。教育費に使った場合には、贈与税も課税されません。一方、お孫さんが30歳になり教育資金口座が終了するときに、教育費以外に使ったり、使いきれずに残った資金がある場合には、その時に贈与があったとみなされ、贈与税が課税されます。
今20歳のお孫さんに、この特例制度を使って1,500万円の贈与をしたとします。10年後、お孫さんは30歳になり教育資金口座は終了しますが、その時口座には1,000万円残っていました。そうすると、この年に1,000万円の贈与があったとみなされ、177万円の贈与税が課税されます。もし、毎年100万円程度を10年間贈与していたとしたらどうでしょうか。毎年の贈与額が基礎控除額110万円以下であれば、贈与税はかからないため、贈与税の負担はゼロになったかもしれません。このように、必要な教育費を考慮せずに贈与してしまうと、非課税だと思っていたのに、かえって税負担が重くなってしまうケースがあります。
また、この制度では一度贈与してしまうと「ちょっとお金が心細くなってきたから一回返して。」ということが出来ません。この制度を利用して贈与される際は、ご自身のライフプランも考慮し、いくら贈与するのか等慎重に検討する必要がありそうです。
(※)学習塾やピアノ教室など学校等以外の者に支払われるものの非課税限度額は、500万円です。

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