2015.06.03 相続税・贈与税 

前回のYPコラムでは、「日本の相続税は、遺産を取得した人に課税する方式を採用しているが、税額を計算する際に一部、遺産税の考え方を取り入れたユニークな方式になっている。」とお伝えしました。ユニークな方式とは、どんな方式でしょうか?
日本のユニークな方式は、相続税額を計算する際に「法定相続分」という考え方を使っているため、「法定相続分課税方式」といわれています。法定相続分課税方式では、相続税を計算する際、まず(1)「相続税の総額」を算出します。相続税の総額は、遺産を法定相続分で相続した場合の相続税がいくらになるかを相続人ごとに計算し、それを合計したものです。この時点で相続税の総額は確定します。そして、(2)実際に取得した遺産の額に応じて、相続税の総額を按分し、各人の負担する相続税額を計算します。
簡単な例で見てみます。
【例】(単位:万円)
相続財産は3,000、相続人は子3人(A,B,C)とします。
実際に相続した財産は、A2,500、B500、Cゼロとします。
※イメージしやすくするために、基礎控除等は加味せず、シンプルにしています。
<日本の法定相続分課税方式のケース>
法定相続分は、A,B,C 3分の1ずつです。
(1)相続税の総額 各人の相続財産 3,000÷3=1,000
各人の相続税 1,000×10%= 100
A,B,Cの相続税合計  100×3= 300
(2)各人の負担する相続税額
A 300÷3,000×2,500 = 250
B 300÷3,000×  500 =  50
C ゼロ
A,B,C相続税の合計額 250+50+0=300
なぜ日本では、このように少々複雑な方式を採用しているのでしょうか。それは、遺産の額が多いほど、高い税率が適用される累進税率という相続税の特性にあります。
シンプルな遺産取得税方式では、最初から実際に相続した遺産の額に応じて相続税を計算します。そのため、先の例のように、Aが遺産の多くを取得した場合、Aには高い税率が適用されるため相続税の負担が大きくなり、その結果、3人の相続税の総額は、法定相続分課税方式の時よりも増えます。つまり、シンプルな遺産取得税方式では、遺産の分割の仕方により相続税の総額が変わるのです。
<シンプルな遺産取得税方式のケース>
Aが負担する相続税 2,500×15%-50=325
Bが負担する相続税   500×10%    = 50
Cが負担する相続税 ゼロ
A,B,C相続税の合計額 325+50+0  = 375 >300
日本の法定相続分課税方式では、「法定相続分で相続したと仮定した場合の相続税の総額」を算出することにより、遺産分割の仕方が違っても相続税の総額は変わらないシステムになっています。
「遺産と法定相続人が同じなら、相続税の総額は変わらない。」というのは、納税者にとって公正なシステムと言えますが、他国にはない日本独特のシステムのようです。
※ 詳しい相続税の計算方法は、相続税・贈与税に関するQ&A「Q3 相続税の計算方法を教えて下さい」をご覧ください。

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