2022.11.25 海外デスクレポート 

ベトナム子会社に対して運営資金や設備投資資金などが不足する場合に、日本親会社からベトナム子会社に資金を貸し付けることがありますが、ベトナムでは短期借入金と長期借入金で大きく取り扱いが異なりますので留意が必要です。

・短期借入金・・・1年以内に返済期限が到来する借入金
・長期借入金・・・1年超の返済期限が設定されている借入金(国外からの借入れはベトナム中央銀行への登録及び定期的な報告が必要)

1. ベトナム国外から長期借入を行う場合の留意点(現行)

ベトナム外資企業がから長期借入をする場合には、投資登録証明書(IRC)の総投資金額と資本金の差額を超えない範囲に限られます。日本親会社等のベトナム国外から長期借入を行う場合には借入時にベトナム中央銀行へ登録が必要で、登録が無い場合は元金、利息ともにベトナム国外に送金が出来なくなります。また、四半期ごとにベトナム中央銀行に対して当該借入金の状況について報告しなければなりません。

2. 改正案

借入金に対する取り扱いについて、2022年5月に、中央銀行から改正案が提案され、パブリックコメントが公表されました。現在はパブリックコメントの手続き中ですが、主な取り扱いの変更点は以下です。

【主な改正案】

・株式や出資持分、プロジェクト譲受等を資金使途とする短期借入金は禁止する
・報告は毎月でオンラインのみとする
・オフショア中長期ローンが自己資本金(自己資本金が定款資本を下回る場合は定款資本)の3倍を超えない
・ローン金額がUSD500,000を超える場合の為替ヘッジ義務化

川越 太介

税理士法人山田&パートナーズ
海外事業部部長 税理士

2006年に大阪の税理士法人にて勤務。2017年に税理士法人山田&パートナーズに入所。 現在、ベトナムにおける税務・会計に関するサービスに従事している。 主な対応可能業務は会計税務顧問、進出支援、不正調査・内部統制、DD、VAL、移転価額サポートなどである。

  • 記載された内容は執筆者個人の見解であり、当税理士法人の見解ではないことをご了承ください。
  • 本記事の内容は一般的な情報提供であり、具体的な税務・会計アドバイスを含むものではありません。
  • 税制改正により、記載の内容と異なる取扱いになる可能性がありますことをご了承ください。

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