【トピックス】成年後見人に関する2つの文書回答事例、公表

 成年後見人に関する文書照会に対する回答が、二つ続けて公表されました。

 一つは、東京国税局が2月6日に行った『成年後見人が成年被後見人の所有する居住用不動産を売却するに当たり支払った家庭裁判所への居住用不動産処分許可申立手続に係る費用の税務上の取扱いについて』、もう一つは名古屋国税局が2月5日に行ったもので『成年後見人が受領した報酬に係る収入金額の収入すべき時期について』です。

 成年後見制度とは、認知症高齢者や知的障がい者など判断能力が十分でない方が所有している財産の管理あるいは身上介護を、法的に権限を与えられた成年後見人等が本人に代わって行うことによって、本人を保護し、権利が守られるよう支援する制度です。

 文書照会『成年後見人が受領した報酬に係る収入金額の収入すべき時期について』は、成年被後見人の財産管理等を行っている成年後見人が、家庭裁判所の告知を受けた後に受け取った報酬の収入すべき時期について照会したものです。

 本来、人的役務(サービス)の提供による報酬を収入に計上すべき時期は、役務提供を完了した日が原則です。ただし、この報酬を期間の経過等に応じて収入とする特約又は慣習がある場合には、その特約又は慣習によりその収入すべき事由が生じた日とされています。

 本件成年後見人の報酬に当てはめると、この報酬が成年後見人の任期中である成年後見人選任時からこの報酬付与申立てまでの期間に対応するものであること、並びに家庭裁判所の審判の告知によって成年後見人がその報酬を受けることができること及びその額が確定することを踏まえれば、上記、期間の経過等に応じて収入とする特約又は慣習がある場合に準じ、家庭裁判所の審判の告知により効力が生じた時に「収入すべき事由が生じた」として取扱い、収入計上することが相当と考えられます。名古屋局も、同様に解して差し支えない旨の回答をしています。

 文書照会『成年後見人が成年被後見人の所有する居住用不動産を売却するに当たり支払った家庭裁判所への居住用不動産処分許可申立手続に係る費用の税務上の取扱いについて』は、成年後見人が家庭裁判所に支払った「居住用不動産処分許可申立手続に係る費用」が、成年被後見人の譲渡所得の計算上、譲渡費用に該当するかについて文書照会したものです。

 成年後見人が成年被後見人所有の居住用不動産を売却する場合、その売却について家庭裁判所の許可を得なければならないこととされています。そのため、この許可申立は不動産を売却するために必要不可欠なものであったといえることから、東京局では、この許可申立の費用は「譲渡のために直接要した費用」として本件不動産の譲渡費用に該当すると解して差し支えない旨の回答をしています。

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