政府、消費税「簡易課税制度」の見直しを検討

 政府が2014年度税制改正で、消費税の「簡易課税制度」の見直しを検討しているという報道がありました。

 消費税は、事業者が販売時に受け取った消費税額から、商品等の仕入れ時に実際に支払った税額を差し引いて納付するのが原則です。ただし、中小事業者の事務負担を軽減するため、売上高が年5千万円以下の事業者は、選択により「簡易課税制度」を適用することができるという規定が設けられています。

 簡易課税制度とは、実際に仕入れ時に支払った金額に関係なく、売上高の50~90%(みなし仕入れ率)を仕入れ時に支払った金額とみなして納付する消費税額を計算できるという制度です。仕入れ高を集計する手間が省かれるため、納付する消費税額を簡単に計算することができます。ただし、みなし仕入れ率が実際の仕入れ率よりも高ければ、事業者が納付する消費税の額は、原則により計算した税額よりも少なくなるため、いわゆる「益税」が発生するという問題があります。消費者の支払った消費税が国に納められず、事業者の利益となるのでは、消費税に対する国民の信頼が損なわれかねません。

 昨年8月に成立した、いわゆる消費増税法では、第7条第1項ニにおいて「消費税の簡易課税制度の仕入れに係る概算的な控除率については、今後、更なる実態調査を行い、その結果も踏まえた上で、その水準について必要な見直しを行う。」とし、見直しの検討が明記されています。

 また、会計検査院は昨年10月、簡易課税制度を利用した約4700の事業者を検査したところ、79.6%の事業者で「益税」が発生していたと指摘し、「現行制度のまま税率が上がれば益税が増えると懸念される」という検査結果を内閣と国会に報告しました。5つに区分される全業種で、みなし仕入れ率が実際の仕入れ率の平均より高かったようです。推計によると、益税は総額で21億7千万円に上るそうです。

 簡易課税制度のみなし仕入れ率が2014年度税制改正において改正されるかは、現段階では不透明ですが、消費税率の引き上げが正式に決まったことにより、近々、何らかの見直しが行われそうです。

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