国税庁、移転価格税制チェックシートを作成

 国税庁は、移転価格税制による争いを未然に防ぐため、チェックシートを作成しました。

 移転価格税制は、国内の企業が、海外の関連会社との取引において、取引価格を高く(あるいは安く)して、国内企業の所得となるべきものを海外の関連会社の所得に移転させる行為を防ぐ目的で導入された制度です。海外の関連会社との取引が、通常の取引価格(独立企業間価格)で行われたものとみなして国内企業の所得を計算し、課税します。

 この独立企業間価格の算定をめぐっては、企業と国税当局の間で年々争いが増えています。争いの結果、企業側が多額の追徴課税を受けたり、逆に企業側の主張が認められ、多額の税金が還付された事例もあります。

 争いを防ぐ方策として「事前確認」制度があります。事前確認とは、企業が海外の関連会社と取引を行う際、その取引価格が妥当であるかどうか、税務当局から事前に確認を受けるものです。いわゆる「お墨付き」をもらうことになるので、後々の税務踏査により更正される等のリスクを軽減し、トラブル発生を未然に防ぐことができます。その一方で、時間と手間がかかる、取引上の機密事項が表に出るリスクがある等の理由により、事前確認を敬遠する企業もあるようです。

 そこで国税庁は、企業が移転価格税制の適用を受けるリスクについて自己診断することができるチェックシートを作成しました。移転価格税制に対する認識、海外関連企業の現地国の税制に関する情報収集の有無など、全部で31項目あります。

 チェックシートは、4月以降、各国税局が配布しているようです。チェックシートの普及・利用により、移転価格に関するトラブルの減少が期待されます。

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