2011.12.05 税の最新情報 

 国税庁は、福島第一・第二原子力発電所の事故による損害賠償金に関する所得税法上の取扱いに対する文書回答事例を公表しました(福島第一・第二原子力発電所の事故により被害を受けられた方々にお支払する賠償金に関する所得税法上の取扱いについて)。この回答事例は、東京電力が国税庁にあてた文書照会に対する回答です。
 主な内容は、以下の通りです。東京電力から受け取る賠償金でも、その内容によって課税関係が異なりますので、注意が必要です。

〔避難等対象者への賠償金(事業に関するものを除く)〕
(1)避難生活等による精神的損害、避難・帰宅費用、一時立入費用、生命・身体的損害、検
  査費用(人)、家事用の資産に係る検査 費用(物)として支払われる賠償金
  → 非課税所得
(2)就労不能損害として支払われる賠償金のうち、給与等の減収分に対する賠償金(転居費
  用及び通勤費増加額として支払われる部分を除く)
  → 一時所得に係る収入金額

〔個人の事業に関する賠償金〕
(3)営業損害、業務用の資産又は棚卸資産に係る検査費用(物)として支払われる賠償金
  → 事業所得等に係る収入金額

 所得税法では、損害賠償金のうち、心身に加えられた損害につき支払を受ける慰謝料その他の損害賠償金(その損害に基因して勤務又は業務に従事することができなかったことによる給与または収益の補償として受けるものを含む)及び不法行為その他突発的な事故により資産に加えられた損害につき支払を受けるものについては非課税としています。
 一方、損害賠償金であっても、業務の全部又は一部の休止、転換又は廃止その他の事由により、業務の収益の補償として取得する補償金、棚卸資産等につき損失を受けたことにより取得する損害賠償金や、所得金額の計算上必要経費に算入される金額を補てんするためのものは非課税所得には該当せず、事業所得等の収入金額に算入することとされています。
 この文書回答事例は、東京電力が、その支払う賠償金について、支払いを受けた際の税の取扱いを明らかにしておくことにより、支払を受ける方の不便を解消するために行ったものです。東京電力では、事故の収束を踏まえつつ、継続的に検討を行っている内容については、具体的な賠償の内容が確定した後、必要に応じて改めて照会するとしています。