2010.11.29 税の最新情報 

 海外の子会社などへの所得移転を防ぐために設けられた移転価格税制による追徴課税を回避するため、企業が事前に取引価格などを税務当局に審査してもらう「相互協議を伴う事前確認」の申請件数が、今年6月までの1年間に149件と過去最多になったことが国税庁のまとめでわかりました(平成21事務年度の「相互協議を伴う事前確認の状況」)。過去最高の更新は5年連続です。

 事前確認の事案を相手国別にみると、米国及びオーストラリアの事案が大半を占め、件数の多い順に米国、オーストラリア、イギリスとなっています。

 国税庁では、納税者の予測可能性を高め、移転価格税制の適正・円滑な執行を図る観点から、相互協議を伴う事前確認を積極的に推進してきました。相互協議を伴う事前確認の相手国数は、10年前(平成11事務年度)の6カ国から、18カ国に増加しています。

 事前確認で確認された内容に基づき申告を行っている限り、移転価格課税は適用されません。ただし日本国内の事前確認のみでは、外国税務当局に課税されるリスクまでは回避できません。そこで、海外関連企業が外国税務当局の確認を受けると同時に、確認内容について両国税務当局間での合意を求めるのが「相互協議を伴う事前確認」です。

 近年、大企業が移転価格税制の適用を受け、巨額の追徴課税を受けるケースが多いことから、事前確認の申請の増加は課税リスクを軽減する狙いがあるとみられます。今後も、事案の増加傾向は続きそうです。

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