国税庁発表 法人税調査で1兆3255億円の所得申告漏れを把握

 国税庁は、「平成21事務年度における法人税等の調査事績」を公表しました(平成21事務年度法人税等の調査事績の概要)。これによりますと、大口・悪質な不正計算が想定されるため調査必要度が高いとされた13万9千法人(前年度比△4.5%)に実地調査をした結果、10万件(同△6.0%)から総額2兆493億円の申告漏れが発見されました。前年度に比べると、4.6%増と大幅に増加しています。海外取引に関係した申告漏れが8014億円と、前年に比べ、5827億円増と大幅に伸び、全体を押し上げています。追徴税額も、総額3799億円と前年度に比べると16.1%増加しています。

 業種別にみると、不正発見割合の高い業種では、「バー・クラブ」が57.9%と8年連続のワースト1位となりました。次いで「パチンコ」48.7%、以下「廃棄物処理」35.0%の順となっています。

 1件あたりの不正脱漏所得金額が大きい業種では、1位は「水運」9601万円、次いで「精密機械器具卸売」4693万円、以下「建売、土地売買」4589万円、「民生用電気機械器具電球製造」4543万円、「情報サービス」3881万円と続いています。3位を除くと、前年には10位に入っていない業種が目立ちます。「バー・クラブ」は、不正発見割合の高い業種では1位となりましたが、金額が相対的に少ないため、不正脱漏所得金額が大きい業種の上位には入っていません。

  一方、国税庁では、調査を行うにあたり、国民の公平感を著しく損なうものとして、事業を行っているにもかかわらず申告していない法人、無申告法人に対して重点的に調査を行ってきたようです。そのうち借名口座を用いて利益を隠ぺいするなど意図的に無申告であるとした事案300件については、法人税30億円、消費税9億円の追徴課税をしています。

 国税庁は、海外取引等を有する法人に対する調査について、資金の海外への移動に着目した資料提供の収集活用や租税条約に基づく情報交換制度を積極的に活用し、深度ある調査に取り組んでいます。ケイマン諸島やバミューダなどのタックス・ヘイブン国に対しても、銀行機密に係る情報提供を要請できるようになるなど、国際的な租税回避等への対応が不正発見に結びついているようです。

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