2019.12.25 海外デスクレポート 

執筆:アメリカ担当

2020年1月1日からカリフォルニア州全域がレントコントロールの対象になります。アメリカでは現在、ニューヨーク州、カリフォルニア州、ニュージャージー州、メリーランド州、オレゴン州の5つの州で規制区域が指定されており、オレゴン州については、2019年2月に全米初で州全域がレントコントロールの対象となりました。
レントコントロール(Rent control)とは、借主の保護を目的として賃料上昇率に上限を設けて不当に上昇するのを防ぎ、立ち退きにも一定の制限を設ける制度のことです。

カリフォルニア州では今まで、ロサンゼルス、サンタモニカ、ビバリーヒルズ等の地価の高い市は既に実施しており、適用される対象はアパートのみで、ロサンゼルスの場合では賃料上昇の上限は3%となっていました。
2020年からカリフォルニア州で全域で実施されるレントコントロールについては、上昇率の上限は年間“5%+消費者物価指数の合計”又は“10%”の低いほうになります。ロサンゼルスの場合だと、現在の消費者物価指数は約3%なので、5% + 3% = 約8%が上限となってきます。(4月の消費者物価指数を翌年4月まで引用します)
対象となるのは築15年超の物件となり、元々各市が定めていた要件(ロサンゼルスの場合は“1978年以前に建築された建物”等)と異なるため、重複する地域については築年数によってどちらの規定が適用されるかの確認も必要です。

レントコントロールがなければ契約更新時に家主が賃料を大幅に値上げして、払えないのであれば解約させるといった実質的な追い出しをすることもできてしますので、レントコントロールの導入は借主を守る役割を果たします。ただ、投資家目線だと対象物件については、借主が出ていくまでは大幅な賃料値上げができないため、売却を検討してもなかなか買い手が見つからないという可能性も生じてきます。
今回施行されるカリフォルニア州レントコントロールについては、2030年までの時限立法となります。


アメリカ担当

岩﨑 理恵

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