2019.12.24 海外デスクレポート
執筆:シンガポール担当
日本の消費税に相当する税金は、シンガポールではGSTと呼ばれています。現行のシンガポールのGSTの税率は7%です(時期は未定ですが2021年から2025年の間に9%へ引き上げられる予定です)。課税対象取引、申告が必要な事業者、申告の流れの概要は下記の通りです。
シンガポール国内における物品販売や役務提供及び、物品の輸入は、7%税率の課税対象取引となります。なお物品の輸出や、国際サービスに分類される役務提供(シンガポールから他の国への飛行機代等)は、0%税率の課税対象取引となり、GSTはかかりません。
GSTが免税となる取引として、居住不動産の販売及び賃貸、金融サービス(債券の発行等)があります。また、シンガポール国外からシンガポール国外へ配送される物品の販売は、GSTの対象外取引とされています。
年間の課税売上が100万SGD(約80百万円)を超える場合、当該事業者はGSTの課税事業者として登録が必要となります。年間の課税売上が100万SGD以下の場合には、登録は任意となります。
また課税売上が100万SGDを超える場合でも、そのほとんどが0%課税売上の場合には税務当局に申請し承認を得ることで、課税事業者の登録の免除を受けることが出来ます。
シンガポールのGSTはインボイス方式が採用されているため、課税事業者として登録された場合、一定の記載要件を満たす請求書(Tax invoice)を発行する必要があります。
GSTの登録事業者となる場合、四半期ごとに翌月末までの申告が必要となります(四半期が2020年1月から3月の場合、2020年4月末が当該四半期のGSTの申告期限)。
GSTの納税額は、課税売上にかかるGST(Output GST)から、課税仕入にかかるGST(Input GST)を控除した金額となります。日本のように課税売上割合により課税仕入にかかるGSTの控除額が制限されることはありません。ただし、自社宛に発行された有効なTax invoiceの裏付けがなければ、課税仕入れにかかるGSTを控除することは出来ないため、留意が必要です。
シンガポール担当
シニアマネージャー・公認会計士
熊谷 仁志